神崎に残るもの

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一つの社に、二柱の神

八坂稲荷神社

「八坂」なのか、​「稲荷」なのか——初めて​聞く​人は​少し​迷う​名前です。​正式な​名は​稲荷神社。​けれど村では、​「八坂稲荷神社」と​呼ばれてきました。

答えは​本殿の​中に​あります。​主祭神は、​稲を​つかさどる​稲蒼魂神​(うかのみ​たまのかみ)。​そこに​八坂の​神・素盞嗚尊​(すさの​おのみ​こと)が​配祀されています。​一つの​社に、​二柱の​神。​通称は​そのまま、​この​社の​中身を​言い​表しているのです。

例祭は​毎年​10月16日。​稲の​神の​祭りが​実りの​季節に​あるのは、​田んぼの​村らしい​めぐり合わせです。

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百年の狛犬が迎える、山の神の社

大森神社

参道の​入口で、​苔むした​一対の​狛犬が​迎えてくれます。​大正6年​(1917年)の​奉納と​伝わりますから、​もう​百年あまり、​同じ​場所で​同じ方​向を​向いて​座っている​計算に​なります。

まつられているのは、​山の​神・​大山祇命​(​おおやまづみのみ​こと)。​「神が​坐す」の​名を​もつ村の​社に​山の​神が​いる​——できすぎた​偶然かもしれません。​江戸時代には​今井村の​産土神​(うぶすなが​み)と​して​崇敬された​と​伝えられ、​境内には​昭和12年​(1937年)の​社殿改築記念碑も​残っています。

例祭は​毎年​10月17日、​八坂稲荷神社の​翌日。​二日つづけて​祭りの​声が​聞こえるのが、​神崎の​秋です。

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寺であり、村の集会所であり

金剛寺

地図で​探すと、​「金剛寺​(神崎西集会所)」と​出てきます。​寺なのに、​集会所。​でも、​それが​この​寺の​いちばん正しい​説明かもしれません。​浄土真宗本願寺派の​寺であり、​村の​寄り合いの​場でもあります。

真宗と​神崎の​つながりは​古いと​伝えられています。​蓮如上人が​この​地を​巡化したと​いう​言い​伝えが​あり、​「南無阿弥陀仏」と​刻まれた​石碑が​その​記憶を​伝える​ものと​いわれています。

本堂で​手を​合わせる​日も​あれば、​区の​集まりで​顔を​そろえる​日も​ある。​信仰と​暮らしの​あいだに、​金剛寺は​立っています。

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